6月27日(日)

DOGの練習。
レギュラー陣が休みな上に,DOG以外のメンバーが多かったため、あまりレベルの高い練習にはならなかった。Paulとプレーしている間は楽しかったのだが。だいぶアメリカ人とプレーするのに慣れてきた気がする。fastbreakの際に動きだしが速いということと,かなり長い距離を走ることに慣れないといつも置いていかれる気分になる。身体も大きいし,スピードに乗ってからだとちょっと止めるのが難しいなと思う。スローワーはフリーを見つけるとかなり長い距離も投げてくるので,いつもちゃんとついていなければいけないという恐怖感もある。

レベルに関してはうまく比較はできないけれど、日本の学生はこちらの学生にもかなり通用するレベルだと思う。ただ、学生,クラブチームどちらにも言えるのは,個人としては通用すると思うのだけれどチームとしてアメリカのチームと戦うと,力負けしてしまうだろうなと思う。日本人相手だとがんがん上で勝負してくるだろうし。
ただ、こっちでやっていると,大きいからといって強引に奥で勝負させるというようなことはほとんどしない。きちんと決めた通りのプレーで確実に取ろうとする。オフェンスはミスをしなければ確実に点がとれるものだという意識があるからリスクはおかさないのだろう。ただ、あまりに正直に攻めてくるなという感じも否めない。自分が一番奥にいて190cmくらいの選手についていても奥にがーんと打ってくるということはあんまりしない。奥に浮かせておけば絶対俺ではかなわないのに。 プレーを見ていてもアメリカ人の合理的な考え方が見える気がする。日本人はファジーですね。その場その場で抜けられる人がいけばいいという考え方だし。どちらがいいとは思わないけれど,両方をこなせればいいなと思う。状況を判断してやる柔軟性とここぞという場面で決め事をきちっと決められる確実性。
というわけで,練習では,Alexの裏のパスをフットブロックして自分的には気持ちよく練習を切り上げてきました。こっちでマーカーブロックしたのは初めて。マーカーについてはまだ必死。DOGはマーカーをブレイクされないという意識はやはりいつも高い。 おもしろいのは,こちらではカウントが詰まってくるとマーカーはタイトにつくのではなく,ステップバックする。カウント8、9でタイトについているとスローワーはファウル狙いでぶつかってくるのでそうなる前に引くのだそうだ。アメリカの試合の様子が目に浮かぶようだ。こちらでは,スローワーはファウルコールしながらでもスローを必ず投げる。通ればプレーオンだし,通らなくても戻るからリスクなし。ずるいけどこれがこちらのやり方。

夜は,女子ワールドカップのアメリカ対北朝鮮の試合を見に行く。Moonee夫妻も一緒。いやー,なんというかアメリカの愛国心を目の当たりにすることになりましたな。予選プールだけどFoxboro Stadium は満員。国歌斉唱では全員立ち上がって熱唱。女子サッカーで満員になるなんて日本じゃ考えられない。もちろんアメリカだって普段はそうだ。ただ,アメリカ開催でしかもアメリカが世界でトップクラスなのでこうしてアメリカの試合だけは人がたくさん入るわけだ。
CMもけっこう流れている。adidasのCMはすげーおもしろかったけど日本ではやっていないのかな。でもCMも全部アメリカの選手。W杯の宣伝もほとんど(自分の知る限り全部)アメリカのスター選手を使っている。テレビで観るとアメリカの試合はほとんどアメリカの選手がアップになることに気づく。これを他の国にも配信しているのだろうか。アメリカのための大会。まあそうして客が集まるのだからそれはそれでいいのだろうけど。ビジネスとしては,国内の需要を喚起すればいいわけで。日本でもバレーボールとかテレビ局が勝手に盛り上がってやっている国際大会は,日本チームばかり注目しているから似たようなものだが。外国人としてスタンドにいると少し違和感を感じる。でもこういう大会を楽しもうという意欲は旺盛。大した人々です。

  6月28日(月)

今日は授業が終わった後,Co-edのチームの人たちと,Boston Red Sox の試合を見に行く。numberで生島淳が「フェンウェイを見て死ね」と書いた, Fenway stadium でChicago White Soxと対戦。14対1の大差で勝つ。ホームランもかっとび気持ちの良い試合だった。 ライト側外野席 で見ていたのだけど,なぜか意味不明にも試合中にチームメイトが「TAKA」コールをして 外野席の人々 で勝手に盛り上がっていた。まったく。試合中もビールとポップコーンとピーナッツが途絶えることはなく,試合と関係なく楽しんでいる連中でありました。

7月2日(金)

朝9時半に出発し,CanadaのMontrialに向かう。MITのチームに加わって,Jazz Festaというトーナメントに参加するのだ。Fordのでっかいワゴンで,Johnbar,Tory,Zak,Kiki,私の5人で延々7時間かけて行った。MassachusettesからVermontに抜けフェリーに乗ってNewyork Stateに入り,国境を越える。MontorialはQuebecなのでフランス語が公用語になる。だいたいの人が英語を話すが看板はフランス語がほとんど。集合住宅が多く,シンプルで無駄のないデザインの建物が多かった。ホテルに到着すると,なんとそこは 4人部屋 。ここに8名が泊まる。3部屋にチーム全員が寝泊まりする。心配してたんだよなぁ。部屋の心配はいらないとか言っていたし。
 着いてすぐに散歩にでかけ芝の上でホットボックスをやる。なぜだ?俺は疲れてもう休みたいぞ。1時間くらいそうしてから部屋に戻ってきて,これで落ちついたなぁと思っていたら食事に出かけることになる。メキシコ料理の店。なかなかうまい。これで帰ってきて11時過ぎ。さらにその後,Jazz Festaが開かれているダウンタウンに出かける。終わる頃には1時。しかーーも,まだ終わらない。その後,クラブに移動し,3時前まで飲む。やはりアメリカ人は違うのだという認識をあらたにした本田でありました。

7月3日(土)

朝からの試合は当然気合いが入らない。予選なのでそんなに厳しい試合はない。まあ楽しんでやる大会ということで。カナダからはけっこう強いチームがきていて,Ottawa WaXとToronto YESが強そう。WaXには,去年の世界大会に来ていたカナダ代表のアフロ君がいた!!今年も相変わらず70年代なアフロヘアでチームの中心としてがんばっていた。彼はわたくしのことを憶えていて試合中に挨拶だけした。もう少し話したかったなぁ。 とにかく暑くて疲れたけど,世界大会のような雰囲気がいいですな。Johnやチームメイトは何やらいろいろ ゲーム を考えて遊んでいるし。。フリードリンク,フリーフードなのでテントに行ってそこら中のものを食べ漁っていた。ああ日本人。
夜は 部屋 ですっかりできあがった後またも外に繰り出し,2時まで飲む。タクシーで梯子するあたり根性がある。とにかく精いっぱい楽しみ尽くさないと気が済まない人たちなのだ。

7月4日(日)アメリカは独立記念日であります。

大会2日目。なんと11時からの試合に寝坊して遅れる。そりゃ飲み過ぎだよ,みんな。Zakは「俺たちは,飲んで,踊って,そして勝つ」と言っていたが,準決勝でTorontoに敗れる。 よいチームだったと思う。スローがうまいし。ただファウルコールでもめて何かいやな雰囲気だった。俺がコールしたのだが。「アメリカ人はバッドコールが多いんだよ!」などと言っていた(自分はよくわかんなかったが後で聞くとコートサイドでそんなことを言っていたらしい)そうだが、私は日本人。
前の試合まで好調だった自分もなんか調子がでないまんま試合が終わってしまった。疲れたのだろう,夜も遅いし。
大会は30チームが参加していたけれど,上の4チームほどがまあまともなレベルで,あとはまあ楽しんでアルテをやるという感じのチームだった。女子では,Stellaというカナダのチームがすごく強かった。たしかカナダ代表はこのチームが主体だったと思う。ユニフォームもかっちょよい。
カナダのチームは基本的にやりかたはアメリカと一緒だと思う。とくに目新しいものは見られなかった。ただ思った以上にスローがうまかった。JohnbarはDOGとTorontoがやったら「15-3」と言っていたけど,そんなにレベルが違うのだろうかと思った。まあ気合いの入ったDOGはけっこう恐いものがあるので納得できなくもないが。

最後の夜はまたしても梯子して飲んでばかり。最後はクラブで踊り狂って終わったのであります。とにかくすんごい盛り上がって酸欠で倒れそうだった。Johnは帰ってからまだパスタを食べていた(最初のGIF)。楽しい日々だったけど,自分はアメリカ人にはなれないなということを強く感じた旅でありました。

7月5日(月)

帰りは6時間くらいで戻ってこれた。さすがにぐったり。しかし宿題が山のように残っていて,結局寝たのは2時過ぎであった。寿命が縮む。

7月6日(火)

ハーバードの練習の日。開始直前にひどい夕立になって、「やった休みだ」と思ったのも束の間,30分ほどでやみ晴れてしまった。しぶしぶ自転車に乗りスタジアムへ。ほとんど誰もきていない。Doug,Zak,と自分の3人で階段ダッシュをする。慣れてきたのか何とかなるようになった。でもやっぱ長い。3人とも世界大会に行くので他より集中していると思う。
Zakは初めての世界大会なので気合いが入っている。一緒に住んでいるので自分が一番世話になっているチームメイトだ。ハーバード大学大学院でショウジョウバエを使った遺伝子の研究をしている。スカラーシップで金をもらいながら研究を続けている。研究が仕事なわけだ。30歳だけど面倒見がいいし若い。酒がすげー強くて,試合中に缶ビールを5本ショットガンしてもプレーしていた。スローは俺のほうがうまい。180cmだけど競り合ったら日本人では勝てる奴はあまりいないと思う。そんなに飛び抜けているわけではないけれど。
Dougは肩を怪我しているが,大会は何とかなりそうだ。足が速くてディフェンスが強い。投げられるし,若手の中では中心だと思う。昨年の世界大会にもきている。世界大会は若手中心なので,彼らがけっこうがんばることになるのだろう。


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